「くらをとミンカの生きるごはん」について~想い~
「毎日違う実でお味噌汁を作る」が、もうまるっと二年続いています。
きっかけは、息子が高校生になったこと。町内に駅がないところに暮らしているので
自転車→電車→自転車と不便で体力のいる学校を選んだ彼の身体を心配してでした。1時間に一本しかない電車なものだから、朝は6時過ぎに出発して帰りが9時近くになってしまう。お弁当のほかにおにぎりやらおやつやら持っていくのはもちろん、朝の玄関で「行ってきます」と大きな声を出してから出かけてほしい。
そう思って、毎日意識して味噌汁を作ろうと思ったのです。
やっていくうちに、分かったことを何点か。
その①「味噌汁の実に向かないものはない」
365日実を変えるのはとても大変。本当に毎日味噌汁のことばかり考えている。今まで買ったこのない野菜や乾物など、売り場をくまなく探すようになった。大好きな増田の朝市では、「旬の野菜」が簡単に手に入る。2,5,9のつく日、月に9回開催される朝市は、季節の移り変わりがはっきり売りものに現れる。旬のもぎたて野菜を味噌汁にできる幸せ。
その②「白いご飯が食べたくなる」
味噌汁の実を4種類以上入れるようにしている。実だくさんにすると味噌汁は飲み物ではく「おかず」になる。絶対に、白いご飯が欲しくなる。我が家の朝は、おかずは味噌汁しかない。あとは勝手に常備菜や納豆やたまごを冷蔵庫から出して食べる。よく、おかずがなくても良いから朝はパンなんだよね、と聞くが、味噌汁の実は夕飯のうちにカットしておき、身支度がてらにガス台に乗せておけばそんなに手間はかからない。
ま、うちではパンの朝も味噌汁は必ず食べるんですけど…。
その③「朝の味噌汁でおなかが温まれば力がわいてくる」どんなに食欲がない朝も、起きて三分で出発する寝坊の朝も、味噌汁だけは食べる。食べていきなさいって口を酸っぱくして言う。そうすると「行ってきます」って、玄関で必ず大きな声で言う。私も「今日も元気に行ってこい!!」って言う。
その④「会話が生まれる」
返事もろくにしないこの頃の息子も、味噌汁の感想だけはなにかしら口にする。その一言が聞きたくて、母は毎朝頑張っているといってもいい。
その⑤「食べることに向き合うようになる」
私の自己満足で始めた毎日の味噌汁。最近息子は「うちの味」という言葉を口にするようになった。無意識のうちに味を意識しているということ。
まだまだ、あげればキリがない。味噌汁を毎日作る、というたったそれだけのことで、たくさんの気づきがあり、それを、大切な店のお客様にもお伝えしたいなって思うようになった。
なったけど、どう表現していいか、分からなかった。
ミンカ店主の美博さんは、商売の先輩(歳はもちろん私よりずっと若いのだけれど)。
彼の店に行くときは大概、想いが行き詰まったとき。店の中でお客様へ商品の説明をしている姿や、たわいない会話で不安がぶっ飛んでいくような、そういう店だし、そういう人。
美博さんに、味噌汁のことを話したら、
「それ、ちゃんと伝えていくっすべ。百合子さんのやりたいこと、カタチにしよう。」
って、力づよく背中を押してくれた。
正直、美博さんに何のメリットがあるのか?と思うほど、私のやりたいことを優先してくれた、。2018年最初の催しにぴったりの企画。「くらをとミンカの生きるごはん」
身体を作る食べ物のなかで、最も普通で最小限の「まま、味噌汁、がっこ」。それをおろそかにしてしまっては、それ以上はないように思う。
決して華美ではないものが普通に美味しいと感じること。
おなかが温まると力がわいてくること。
食べたもので自分の身体ができているということ。
思いっきりお伝えできるよう、精一杯準備します。
まずは出来上がったチラシを。
ものすごいインパクトの表面は、私と美博さん。
この鉛筆画は美博さんが描いたもの。美博さんは才能にあふれる人。センスも抜群。
裏面は催しの詳細。
座談会にはcasane・tsumuguの田宮慎さんも来てくださいます。
彼とも古いお付き合い。いつも店のことを気にかけてくれるよき相談相手です。どんなお話になるのかな。みなさん、楽しみにしていてください。
もっと詳しく催しのことを書いていきますね。
つづく