今日はちょっと強いことを言うよ。
私たち日本人はいつも季節感を大切にしてきたし、お母さんが作る料理を家族全員で囲んで食べ方を学んできたからこそ、美しい日本の景色のような考え方や作法が身についたはずである。
でも、
今、私たちの食卓には季節がない。
一年中同じ野菜を食べることが出来るし、
食べ方そのものが季節感など必要としていないようにも思う。
もっと言うと、食べることそのものがファッション化している。
人が生きてゆく上で最も当たり前に行うべきことを、何かの後回しにしている。
店のことを「郷土料理の店」とか、私のことを「古いものを守りたい人」という人がいる。
それは誤解である。
確かに伝統的な食べ物や食べ方には素晴らしいことがたくさん詰まっていて、それはもちろん大事にしているし、知らないよりも知っていたほうがずっといい。
でもね。
私がこの店の料理を通して伝えたいことは、
生きるために食べるのだ、
と言うこと。
何を食べたら身体が喜んで、心が柔らかくなるのか。
もっと食べ方に信念を。