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内子晴れ大学~お漬物ワークショップ~

去る4月25日、愛媛県内子町でワークショップをさせていただいた。

見てください、会場の温度まで伝わりそうな、みなさんの楽しそうな表情を!

そもそも。

常連さんがお客様を連れてきてくれたことから、それはスタートした。

地元の常連さんが県外のお客様をお連れするという真冬のある日。

「気取ってなくて、美味しくて、ザ☆秋田、みたいなごはん」

というリクエストだったと記憶している(が、定かではない)。

常連さんが数ある店の中からうちを選んでくれたのだから、精一杯やろうと思った。

お客様を喜ばせたいと思った常連さんのために。

それについては、真冬という季節も味方してくれた。

私たちの暮らしには漬物が欠かせない。

そもそも漬物や味噌は「保存食」であるから、田畑が雪で埋もれる冬場の食材確保のために必然で出来た食文化なのだと思う。

連日の雪でほんといやんなっちゃう、と口では言いつつも食べ物に関してはあまり冬の辛さは感じていなくて、むしろ、「今、食べてほしい」と心から思う漬物がたくさんあった。

厳選して並べたお漬物と、搾りたての酒粕を使った味噌汁のお膳。特に、鉈漬けはこちらが恐縮するほどお褒めいただいた。お客様が喜んでいるから、常連さんも嬉しそうだった。

お話を伺うとお客様は建築をお仕事にしていらして、最近ゲストハウスの立ち上げに尽力された、とのこと。しかも愛媛の重伝建エリアの中に。なんとなく勝手にご縁を感じたまま名刺交換をして、その日はさようならした。

後日。あまさけをどうにか手に入れて、鉈漬けのようなメニューを開発されていることをSNSで知る。ゲストハウスで提供するメニューの試作、と。

「ダメダメダメ!!!っぽいじゃダメ!!お教えしますから、内子に呼んで!!」

…って、言っちゃった…。私…。

理由は単純。

私は、数え切れないほどある麹の漬物の中で「鉈漬け」がダントツ一位に美味しいと思っているから。もし何も知らずに「ぽいの」を食べた方が、「ふうん、鉈漬けってこんな感じか。」って思ったらとってもとってもと~っても悔しいもの。

でも、まさか、こんなに早い段階で本当にワークショップを企画してくださるとは嬉しすぎる。ついでに重伝建エリアの情報交換もさせていただこうという盛りだくさんな旅程で、

宿主や役場の方、ゲストハウスの運営隊の皆さんにお会いするという二つの目的を持って、

感謝しつつ半ば押し掛け的な愛媛県内子訪問スタート。

ワークショップ参加者と、ワークショップには参加できないからランチだけって言ってくださる方のための準備。事前に何度も打ち合わせて、秋田から用意して送るもの、内子で漬けたり切ったりしてもらうものを分け、レシピを送り、チャット会議で詰めて…。

そうして迎えたワークショップ当日。

この後のワークショップのヒントがこの献立の中に。

到着してすぐ、仕込み。

内子晴れスタッフの皆さん、とっても手際よいです。

お漬物を好きなように盛り付けて完成のワンプレートランチ。

みんなで「いただきまーす♪」

その間にこっそりワークショップの進行手順を最終チェック。

ワークショップスタート。

「麹屋から見た健康」について、スライドを見ながら私の考え方を聞いていただきました。

参加者の皆さんは日頃から身体を健やかに保つことを心がけている方が多かったです。

実践。

まずは超簡単、二時間で出来る甘麹(甘さけの素)づくりから。

メモや写真での記録。皆さん真剣です。

今回のワークショップのメイン、鉈漬けづくりに挑戦。

鉈と包丁で切り試し、なぜ「鉈」なのかをお伝えした後、みんなで鉈を振るう。

鉈そのものが600g強あって、とっても重い。皆さんなかなか思い通りになりません。

鉈漬けは一日にしてならず。数日後、そのまた数日後、と時間を早回ししてお伝え。

そうそう、甘さけの味比べもしましたよ。秋田の麹と愛媛の麹。生麹と乾燥麹。

次は、甘麹を使った甘酢漬けを。

皆さんが思い思いの野菜で漬けます。

甘麹をお砂糖のように考えて使うと、甘酢漬けの素がフワッと優しい味になります。

甘酢漬けの配合もお伝えしました。これをベースにご自身の好きな味にしてくださればいい。

そして、三五八漬けの素づくり。原料は塩、ごはん、麹だけ。配合の割合からその名前がついたといわれています。

東北ではメジャーな漬物の素も、愛媛ではハテナ?だらけなのが私にとっては新鮮でした。

最後は、一番最初に仕込んだ甘麹の完成披露。

二時間で作ります、と冒頭で断言した通りワークショップ終了時にはこの通り。

そのあともたくさんの質問をいただき、なかなか解散できない!(笑)

何度も記念撮影を繰り返しました。

かつて日本のどこにでもあったはずの麹を日常的に使う暮らし方。

内子界隈で気軽に手に入るのが乾燥麹とのことで、生麹使用の普段の私のレシピでは思うようにいかず、何度も試作して、レシピを作り直しました。日々の暮らしに生かしてもらえるようなワークショップにしたかったからです。

麹は旨味のかたまり。ランチの品々にたくさん、使用しました。

麹さえ手に入れば、甘麹も三五八漬けの素も作ることが出来る。

そう、これでいつでも「台所に麹がある暮らし」が、手に入るのです。

場所は違えど麹が手に入るならと内子まで乗り込んでいった自分は、相当、麹に対する愛が深いなあと思う。私自身もとても勉強になったし、ますます、羽場の麹が好きになった。

ワークショップ終わりには、内子の散策。

つづく


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