六種の豆の、味噌仕込み
友だちの達彦くんの家で小屋を解体するというので、味噌用の木樽をいただいた。漆塗りの、立派な二斗用樽。
まずは、工場長に相談してみよう。
「木の樽は空にしてはいけないよ、味噌が入っていないなら満タンに水を張って毎日取り換えなくっちゃ。でね、一週間もしたら樽がふやけてしまうから、味噌を仕込むなら早めにね。」
時を同じくして友だちのはなゑちゃんから、お母さんが育てたという豆をたくさんいただいた。黒豆、小豆、白小豆。
そのことも、工場長に相談してみよう。
「なるほど、良い豆をもらったね。ベースは味噌用の大豆にするとして、緑豆(枝豆系)を入れたら香りも良くなるし、手亡豆も少々あったから、入れてみようか。おそらく小豆が良い仕事すると思うよ~。」
「味噌」と一言も言っていないのに、さすが、勘が良い。
「麹歩合と塩を特上㐂助味噌と同じにしたら、豆の違いがよくわかっていいと思うよ、来週ならどうにか釜の空き具合を調整できるから、それでいい?」
話しが早い。
そして迎えた6月某日。
樽の内側がヌルヌルしていて、工場長に洗い直しされている図。
麹屋の春の仕事は、オーダーメイドで味噌を合わせ各家屋の樽に納めさせていただくこと。
工場で用意した味噌を数箱に分けて配達。私の味噌は小豆や黒豆の皮がまだら模様。
おさめては押し、押してはおさめ。。。
全身全霊の力で。
この「押し」が甘いと味噌に層ができ、仕上がりが均一にならないそう。
ちょっとした運動よりずっと体力のいる仕事。肘下の筋肉がそう言っています。
最後は表面をきれいにならして、
私、エラそうにしている w
でも、どこのお宅に配達に行ってもやっぱりみんな、こうやって作業の様子を見ているんだって。この先一年かけてやっと食べられるものだから、間違いが無いよう見張って、いや、見守っているのでしょう。
重石は塩。まんべんなく重さをかけることが出来るから。昔は嵩増しとして糠と少々の水を練って使っているお宅もあったそう。
はい、完成。
今日は一粒万倍日。