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秋田のお母さん

いつもお世話になっているのんびり合同社の矢吹さんから連絡があった。

「急な話だが、知り合いの【寒天使】を紹介してほしい」とのこと。

秋田のお母さんたちは甘いものしょっぱいもの、なんでも「寒天」でかためてしまう。

おもてなしの席だったり、農作業のおやつだったり、様々なシーンで食べられてきた寒天。

矢吹さんの言う【寒天使】は寒天使いの達人、つまり「秋田のお母さん」だ。

電話で話した感じ、矢吹さんは焦っていた。

いつもニコニコのんびり口調の彼女が珍しく早口でマシンガンのようにまくしたてる。

今回の企画でアテにしていた方が急にキャンセルになり、東京からカメラマンが来るスケジュールまであと数日しかないとのこと。こういう言い方は悪いが「代打」を探しているのだった。

私は俄然燃えた。代打でホームランを打っちゃうよ、と。

だって、くらをの台所スタッフには自信を持ってお勧めできる【寒天使】がいるから。

二つ返事でお受けして、そのことを孝子母さんに伝えた。

藤原孝子さん。

くらをの開店時からずっと台所スタッフとして働いてもらっているお母さん。

寒天もそうだが、秋田には独特の食文化がある。

冬場をのりきるための知恵として生まれた保存方法や、乾物、漬物などは特に県南の雪深い地域の文化ではないかと思う。孝子母さんの家に遊びに行くとまず驚くのは、ストックしている食材の種類の多さだ。旬のうちに塩漬けしたり乾燥させたりして、一年中食べられるように工夫されている。孝子母さんに聞いて「無い」と言われた試しが無い。保存の仕方を聞いて「分からない」と返ってきたことは無い。

私にとって理想の暮らし方。「ザ☆秋田のお母さん」という感じである。

きっと、東京から来るカメラマンも、矢吹さんも喜んでくれるに違いない。

県発行のフリーマガジン「のんびり」。惜しまれながら最終号を迎え、6月1日よりウェブマガジン「なんも大学」として生まれ変わった。大学開校のお知らせには以下のように書いてある。

「なんも大学」は秋田県そのものがキャンパス。

講師は秋田に暮らすうつくしい人々、あきたびじん。

秋田の観光文化をめぐる旅レポートから秋田のおもてなし精神をニッポン中に届ける学校のようなウェブマガジンです。

つまり、孝子母さんが「講師」ということか。そう思ってワクワクして取材の日を迎え、呼ばれていないのに同席させていただいた。

テーブル一面に並んだお料理。寒天、漬物、煮物、蒸したお菓子…。秋田流のおもてなし。

孝子母さんと、お姑さんのマツヱばあちゃん。言語は秋田弁。ネイティブすぎて途中で通訳が入ったりして。和やかに取材は進み、ずっと食べてずっと笑っていた気がする。

そしてとうとう、記事が出来上がった。

毎週水曜がウェブマガジン更新の日、7月13日と20日の二回に渡って掲載されている。

秋田のお母さんのしなやかな美しさ。私もいつかは、そうなりたい。

なんも大学公式ウェブサイト⇒ http://nanmoda.jp/

高質な田舎課秋田の女性学連載その①⇒ http://nanmoda.jp/2016/07/288/

高質な田舎課秋田の女性学連載その②⇒ http://nanmoda.jp/2016/07/314/


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