遊ぶ、食べる
息子が通っていた幼稚園の合言葉は「まなこ離すな手は離せ」でした。
子どもには命にかかわる危険なこと以外は何でも自由にやらせます。
裸足で園庭を駆け回り、木製のアスレチックの下には落下対策のマットが敷かれているだけで、柵もアミもありませんでした。落ちた時に得る経験があり、年下の子が危ない真似をしているとその子の言葉で教えられるようになる、との事でした。
朝から帰りの時間までひたすら穴掘りしている子がいました。「地球の裏側に行きたい」と言ったそうです。先生は止めません。その子が地球の裏側がとてつもなく遠いのだと自分で気が付くまで毎日掘らせるよ、と言って笑っていました。
自由な園風の中で息子は誰から言われることもなく、仲間との距離や、遊び方のマナー、危ない、楽しい、を身に付けて来たように思います。
家での食事は、息子のために私が出来る唯一の成長の協力だと思っています。
旬の食材を美味しく食べる方法。お腹が空いたら悲しい気持ちになってしまう事。食べたもので自分の身体が作られているという事。家族と囲む食卓に感謝すること。
言葉に出しては言わなかったかもしれないけれど、伝わっていると信じています。
この春高校生になった息子は知らぬ間に食べれるものも増えてきました。
コーヒー、わさび、梅干し、紅ショウガ、メンマ…。
自分で「食べることを」選べる年になり彼の世界は広がって行くのだ、ということを心配ではあるけれどあたたかく見守っていこうと思っています。
先日、思うところあって講座を受講し、「おもちゃコーディネーター」の認定書を頂きました。遊びの中から経験を作る。上から引っ張って早く大人を作るのではなく、下から支えて「出来る」を増やしてあげる。とても興味深い講義内容でした。
食べ方と遊び方を「選ぶ」という意味では共通することもたくさんあり、もっともっと勉強したいなあ、と思った次第です。
そんな私が、くらをで出来ることを少しずつ。