今年もやりますハタハタ丼。
いよいよ、毎年大好評「ハタハタ丼」の季節がやってきた。
いつもお世話になっている遠徳商店(魚屋)のおやじさんが、「今日のは安くてモノが良いからたくさん買って漬けておけ~!ここからいきなり高くなるからよ。」と教えてくれたので、例年より少々時期は早いが思い切ってドドンと購入し、閉店後の台所を独り占めしてせっせと漬け込み作業。
頭としっぽ、ブリコを傷つけないようおなかの中を丁寧に処理して、ヒレを切り、よく洗って、麹と塩で漬ける。作業は単純だがなにせ量が量なものだから、氣を確かに持っていないとめげてしまう。
この作業をしながら、毎年思い出す母の話。
昔はどこのうちでも鶏を飼っていて母が子供の頃は毎朝のたまご取りと餌やりは母の仕事だったが、家族の誰かが大病をしたりお産後の肥立ちが良くないと親鳥を絞めて肉の入ったものを食べさせたと。小屋に鶏がいなくなるのは悲しかったが美味しいと思ってしまう自分もいて、とても複雑だったと。
私たちは「命をいただき、自分の命に変えている」のだ。
日々の仕込みでは薄れてしまいがちな、食材への感謝。
余すところなく丸ごと食べていただけるように、骨やエラなどの固い部分は全部取り除き、焼きたてに特製のタレをたっぷりかけて召し上がっていただく「くらをのハタハタ丼」。
今年も命に感謝して、ご用意させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。