台所に麹のある暮らし~鎌田家編~
毎春 月に二回ずつ、くらをで行っている味噌作り教室。
回を重ねるごと参加者が増えて、毎回毎回ドラマがあり、どれも忘れられない会となっているが、中でも常連でダントツに面白い親子がいる。
元気な食べ盛りの息子さんが二人いて、二年目のみそ作りにはお父さんも参加してくれて、年々味噌仕込みの量が増えている家族。
今回は鎌田家のお兄ちゃんが、賞をとったお話し。
よこて食育プロジェクト「横手の食材を使ったレシピコンテスト2017」優秀賞!
\(^o^)/やった!!
レシピのコンテスト??
早速許可を頂き、レシピを見せていただく。(&掲載の許可も)
汁物、スープ部門に応募した「横手の夏!三五八スープ」
麹を使ったスープ!彩りもきれいで食欲がわいてくる。「さっぱり食べられる」とは、また素晴らしい表現をしている。夏のレシピだから、さっぱりは大事。!そして使った調味料は言わずもがな羽場こうじ店のもの。なるほどお兄ちゃん!これはおいしいに決まっているね!!
「三五八漬けの素」はその配合から名前が付いたといわれている麹漬けの素。(三が塩、五はご飯、八が麹)日本では江戸時代にはもう使われていたそうで、一大ブームになった【塩麹】の原型と言ってもよいと思う。先人たちは野菜や魚を美味しく保存するための知恵(漬物)として使っていた。
くらをでは漬物にはもちろん、この調味料を「旨味のついた塩」と捉え、お料理の様々なシーンで登場させている。麹が美味しい旬の野菜の力強い味をグッと引き出してくれるから、素材の味がちゃんとわかるお料理になる。
伝統的なものだけど、使い方さえコツをつかめば現代の忙しいお母さんの強い味方になる。
私個人も店としても、これほど重宝で可能性が無限大の調味料はほかにないと思っている。
以前、鎌田家のお母さんにみそ作り教室参加のきっかけを聞いたことがある。
「安全とか安心とか意識して食べさせたいって、頭では分かっているけど、実際、私は出来ているのかなあって思っています。味噌汁は家族みんなが好きだし、私自身味噌作りは以前からやってみたかったし、子供たちにも経験になるかなって思って。」
スーパーに陳列されているパックの味噌は誰が作ったかわからず、原材料も表示ラベルでしか確認できない。お母さんはもちろん、子供たちにとってもそれは単なる商品でしかなく、それ以上でもそれ以下でもない。
教室を通して私が伝えたかったことは、「味噌は誰にでも作れるもの」という事。
米麹の味。蒸した大豆の味。塩の味。水の味。それを混ぜた味。
春、夏、秋。時間をかけて、じっくりと育てること。そうして、完熟した時の味。
目には見えない微生物が季節の移り変わりに添って味を整えていく。じっくり待って出来上がった味噌に、愛着がわかないわけがない。
自分で材料の味から確かめてできたものを「不安」と思う人はいないだろう。味噌も最高に美味しく感じるだろう。
お母さんが食卓に出し続ければその家の定番料理になる。
家族はそれを受け入れて「家の味」ができてゆく。
鎌田家ではきっと「麹」はいつも台所にある調味料になっているに違いない。
一徹君へ
いつもニコニコのおにいちゃん、この度は受賞おめでとうございます。女将さんもとっても嬉しいです。お味噌や麹を使った料理でこれからも健康で元気いっぱいに大きくなってください。中学生になったらもっと忙しくなっちゃうでしょうが、時々はくらをに遊びに来てください。背比べしようね。